みなさんこんにちは、あすかりんです。
本日も私、雅珠香(あすか)のブログにご訪問、誠にありがとうございます。
今回は、金沢で一番歴史がある料亭「つば甚」さんのご紹介です。(ディナー訪問)
つば甚さんの歴史は深く、加賀百万石の礎を築いた前田利家が、尾張に居を構えていた頃から代々のお抱え鍔師だった鍔家で、三代目甚兵衛が宝暦2年(1752年)に 鍔師の傍ら営んだ小亭・塩梅屋「つば屋」が「つば甚」の始まりなのだそうです(つば甚HPより)。
宝暦2年ですから、江戸中期ということになりますね。
当時、友人や知人をもてなした趣向に満ちた料理がたちまち評判となり、藩主はもと より藩内の重臣が訪れるようになったそうです。やはり“おもてなしの心”というのがルーツにあるんですね。
ちなみに、伊藤博文、室生犀星、芥川龍之介、三島由紀夫、横山大観、山下清などなど、歴史上の偉人が訪れている場所でもあります。
「金沢を代表する老舗料亭」という表現が最も相応しいお店だと思います。
さらに、ただ歴史があるだけではなく、現在でも、建物やおもてなしの素晴らしさはもちろん、お料理のレベルが高く評価されています。
場所は寺町のゆるやかな坂の中腹で、表からも品格が漂います。お迎えの方も既にお待ちのところが、さすがつば甚。
犀川沿いの高台にあるため、お部屋からは、犀川と街を一望できて眺めが良いですよ。
さらにどのお部屋にも謂れや歴史、見どころがあり、お部屋も楽しみの一つ。
今回私が上がらせて頂いたのは、幸運にも「梅の間」でした。最古のお部屋です。
お料理の感想は総括にて。
通常キャパの大きな料亭では、厨房とお部屋までのインターバルがあるので、温度などの条件が厳しくなってくるのですが、つば甚さんではそれも計算されているところが素晴らしいと思います。食材は地物の最高級を料理に織り込んであって、そのおいしさを最大限引き出してあります。器も素晴らしいもので、料理にもマッチさせてあるところがまたステキ。
夕食の料金は2万円からで、今回は27000円のコース(サ・室料込み)を頂いています。
一番手頃なコースよりも、こちらのコースのほうが食材も器もアップグレードされていて、満足度が高かったです。その上のコースを頂いたこともありますが、それは素晴らしいものでした。
●つば甚酒(福光屋、特別純米)(冷酒、クリスタル銚子:2000円)
福光屋さん製のつば甚オリジナルの日本酒で、やや辛口ですがまろやかでどのお料理にも上手に合ってくれました。
●先付、八寸
先付は蒸しアワビ、イチジク生ハム巻き、加賀太胡瓜。蒸しアワビは5時間蒸したもので、うっとりするような弾力と柔らかさでした。
八寸は、生クチコ、カラスミ(大根添え)、サーモン長芋茶巾など。
重陽の節句(9月9日)は菊の節句と呼ばれており、「被せ綿(きせわた)」(前日に菊の花に真綿をかぶせておき、翌朝露を含んだ綿で身体を清めると長生きできる)という風習があります。この時期、菊に綿をかぶせたしつらえをしているお店はありますが、実際に朝露で濡らしたものをお客さんに提供してくださるお店は初めてでした。感激!
●お椀
蓋を外してビックリ。ハモ、そして満月を思わせる胡麻豆腐には、満月にウサギが遊ぶという粋な演出です。芸が細かい!
大振りな松茸がやけに嬉しい。香気が鼻腔をくすぐり、喉の奥にも残ります。
黄金色に輝くお椀もまた素晴らしいですね。
●鮎寿司
オリジナリティを感じる一皿。焼いた鮎の身にはご飯が挟んであって、温かいお寿司として味わいます。この温度だと、鮎の香味が開いて美味。なるほど。頭と骨、尻尾は揚げせんべいになっており、パリパリと。こちらにも調理方を変えた松茸が!
●お造り(アワビ、ウニ、ナメラ、マグロ、ボタンエビ)
またしてもアワビが。次はお刺身として頂くのですが、細かく隠し包丁が入れてあって、歯切れの良さが楽しめます。雲丹と肝酢を添えて。
●のど黒の塩麹焼き、干クチコ、焼松茸
切り身でも立派なものでしたから、それは大きなのど黒なのでしょう。脂の乗りも素晴らしく、塩麹で旨さが引き出され、とろけるような口どけでした。干クチコも立派なもので、松茸は焼きにて。
●アマダイのれんもち包み菊花あんかけ
秋らしく美しい一品。身の柔らかいアマダイにレンコンもちの優しいねっとりが絡み、控えめでほのかな塩気のあんが雅な味わいです。
●酢の物 毛ガニのあらい
毛ガニをあらいで出してくださるとは、贅沢ですねぇ。
●鮑ウニ松茸ご飯
それは贅沢な炊き込みご飯の登場です。
味の添え方が上品で、素材を立たせてあるところがニクイです。
●デザート
加賀棒茶のプリン五郎島金時チップス添え、ルビーロマン、わらび餅
●お菓子、薄茶
吉はしさん製の「雁行」という名のお菓子です。
一流とはこういうことなんだなぁと学びの多い食事になりました。
翌日まで夢心地が余韻に残っていました。
今日もお腹いっぱい!でございます。あすかりんでした。
![読者登録してね]()
●つば甚
http://www.tsubajin.co.jp/
住所:金沢市寺町5丁目1−8
TEL:076-241-2181
定休日:日曜の夕食、年末年始
本日も私、雅珠香(あすか)のブログにご訪問、誠にありがとうございます。
今回は、金沢で一番歴史がある料亭「つば甚」さんのご紹介です。(ディナー訪問)
つば甚さんの歴史は深く、加賀百万石の礎を築いた前田利家が、尾張に居を構えていた頃から代々のお抱え鍔師だった鍔家で、三代目甚兵衛が宝暦2年(1752年)に 鍔師の傍ら営んだ小亭・塩梅屋「つば屋」が「つば甚」の始まりなのだそうです(つば甚HPより)。
宝暦2年ですから、江戸中期ということになりますね。
当時、友人や知人をもてなした趣向に満ちた料理がたちまち評判となり、藩主はもと より藩内の重臣が訪れるようになったそうです。やはり“おもてなしの心”というのがルーツにあるんですね。
ちなみに、伊藤博文、室生犀星、芥川龍之介、三島由紀夫、横山大観、山下清などなど、歴史上の偉人が訪れている場所でもあります。
「金沢を代表する老舗料亭」という表現が最も相応しいお店だと思います。
さらに、ただ歴史があるだけではなく、現在でも、建物やおもてなしの素晴らしさはもちろん、お料理のレベルが高く評価されています。
場所は寺町のゆるやかな坂の中腹で、表からも品格が漂います。お迎えの方も既にお待ちのところが、さすがつば甚。
犀川沿いの高台にあるため、お部屋からは、犀川と街を一望できて眺めが良いですよ。
さらにどのお部屋にも謂れや歴史、見どころがあり、お部屋も楽しみの一つ。
今回私が上がらせて頂いたのは、幸運にも「梅の間」でした。最古のお部屋です。
お料理の感想は総括にて。
通常キャパの大きな料亭では、厨房とお部屋までのインターバルがあるので、温度などの条件が厳しくなってくるのですが、つば甚さんではそれも計算されているところが素晴らしいと思います。食材は地物の最高級を料理に織り込んであって、そのおいしさを最大限引き出してあります。器も素晴らしいもので、料理にもマッチさせてあるところがまたステキ。
夕食の料金は2万円からで、今回は27000円のコース(サ・室料込み)を頂いています。
一番手頃なコースよりも、こちらのコースのほうが食材も器もアップグレードされていて、満足度が高かったです。その上のコースを頂いたこともありますが、それは素晴らしいものでした。
●つば甚酒(福光屋、特別純米)(冷酒、クリスタル銚子:2000円)
福光屋さん製のつば甚オリジナルの日本酒で、やや辛口ですがまろやかでどのお料理にも上手に合ってくれました。
●先付、八寸
先付は蒸しアワビ、イチジク生ハム巻き、加賀太胡瓜。蒸しアワビは5時間蒸したもので、うっとりするような弾力と柔らかさでした。
八寸は、生クチコ、カラスミ(大根添え)、サーモン長芋茶巾など。
重陽の節句(9月9日)は菊の節句と呼ばれており、「被せ綿(きせわた)」(前日に菊の花に真綿をかぶせておき、翌朝露を含んだ綿で身体を清めると長生きできる)という風習があります。この時期、菊に綿をかぶせたしつらえをしているお店はありますが、実際に朝露で濡らしたものをお客さんに提供してくださるお店は初めてでした。感激!
●お椀
蓋を外してビックリ。ハモ、そして満月を思わせる胡麻豆腐には、満月にウサギが遊ぶという粋な演出です。芸が細かい!
大振りな松茸がやけに嬉しい。香気が鼻腔をくすぐり、喉の奥にも残ります。
黄金色に輝くお椀もまた素晴らしいですね。
●鮎寿司
オリジナリティを感じる一皿。焼いた鮎の身にはご飯が挟んであって、温かいお寿司として味わいます。この温度だと、鮎の香味が開いて美味。なるほど。頭と骨、尻尾は揚げせんべいになっており、パリパリと。こちらにも調理方を変えた松茸が!
●お造り(アワビ、ウニ、ナメラ、マグロ、ボタンエビ)
またしてもアワビが。次はお刺身として頂くのですが、細かく隠し包丁が入れてあって、歯切れの良さが楽しめます。雲丹と肝酢を添えて。
●のど黒の塩麹焼き、干クチコ、焼松茸
切り身でも立派なものでしたから、それは大きなのど黒なのでしょう。脂の乗りも素晴らしく、塩麹で旨さが引き出され、とろけるような口どけでした。干クチコも立派なもので、松茸は焼きにて。
●アマダイのれんもち包み菊花あんかけ
秋らしく美しい一品。身の柔らかいアマダイにレンコンもちの優しいねっとりが絡み、控えめでほのかな塩気のあんが雅な味わいです。
●酢の物 毛ガニのあらい
毛ガニをあらいで出してくださるとは、贅沢ですねぇ。
●鮑ウニ松茸ご飯
それは贅沢な炊き込みご飯の登場です。
味の添え方が上品で、素材を立たせてあるところがニクイです。
●デザート
加賀棒茶のプリン五郎島金時チップス添え、ルビーロマン、わらび餅
●お菓子、薄茶
吉はしさん製の「雁行」という名のお菓子です。
一流とはこういうことなんだなぁと学びの多い食事になりました。
翌日まで夢心地が余韻に残っていました。
今日もお腹いっぱい!でございます。あすかりんでした。

●つば甚
http://www.tsubajin.co.jp/
住所:金沢市寺町5丁目1−8
TEL:076-241-2181
定休日:日曜の夕食、年末年始